ふくのきもち

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コラム

よくある質問

食事について

Q.ワンちゃんが食べちゃダメな食材は?
【人工甘味料】
人工甘味料の代表である「キシリトール」はとっても有毒。キシリトールを含む歯磨き粉やガムなどは遠ざけましょう
【アルコール】
ワンちゃんの腎臓はアルコールを処理できません。ごく少量であっても中毒を引き起こす可能性があります。
【アボカド】
アボカドの種・皮・葉を口にすると嘔吐や下痢を引き起こします。
【カフェイン】
コーヒーやお茶に含まれるカフェインは「毒」にはなりませんが、気分が悪くなったり、興奮状態が続くなどのトラブルが起こります。
【チョコレート】
少量であっても絶対に与えないでください。チョコの主原料であるカカオに含まれるテオブロミンは、吐き気や心臓のトラブル、内出血を引き起こすことがあります。最悪の場合、死亡に至るケースもあります。
【揚げ物】
脂肪の多い食品は胃の不快感や肥満につながる可能性があります。
【玉ねぎやニンニク】
赤血球が壊され、貧血を引き起こす恐れがあります。生はもちろん、加熱したものも与えてはいけません。
【ブドウ】
急性の腎不全を引き起こす可能性があります。特に皮に注意してください。レーズンも与えないでください。
【ナッツ類】
脂肪分が多いのでお腹が緩くなることがあります。またマカダミア ナッツは発熱や嘔吐を引き起こす可能性があります。
【牛乳やチーズ】
成長すると乳を消化する力が低下し、嘔吐や下痢を引き起こします。しかし少量の「ヨーグルト」であれば、乳酸菌が乳糖の一部を分解してくれているので、与えても問題ありません。
Q.タバコを食べちゃった
タバコに含まれる「ニコチン」は中毒を招く恐れがあり、とっても危険です。紙巻タバコ・リキッドタイプのタバコはもちろん、灰皿や、灰皿代わりにした空き缶も愛犬の届かないところに置いてください。
また散歩中にポイ捨てされた吸い殻を食べてしまうケースも多いようです。このようなときに「水や牛乳を大量に飲ませる!」という対処をされる人がいますが、実はNG です。むしろニコチンの吸収を早めてしまいます。お近くの病院にすぐに相談してください。
さらに、受動喫煙も問題になっています。愛犬の近くでタバコを吸わない。タバコを吸った体で愛犬に触れない。これを徹底してください。
Q.人間の薬を食べちゃった
整腸剤など薬の種類によっては、大量摂取でなければ問題がないものもありますが、基本的には中毒症状を起こすものばかりです。すぐに病院を受診して飲み込んだ薬の名前と、量を正確に医師に伝えてください。無理に吐かせるなども危険ですので自己判断で動かず、医師の指示に従ってください。
Q.フードを残す理由は?
フードを残す理由はいくつかあります。例えば単純におなかが空いていなかったり、フードの味が合わなかったり、体調が悪い・口腔内トラブルがある・歯茎が腫れて痛い・環境の変化で気持ちと体がついていかず食欲がないなど。様子を観察して、必要に応じて獣医師のアドバイスを受けましょう。
Q.歯石が溜まりやすい食事とは?
歯石とは落とし切れなかった歯垢が定着したもの。また歯垢の元になっているのは、主にフードの食べかすです。ドライフード(カリカリ) は噛む回数が増え、唾液の分泌を促したり、のどが渇くので水をよく飲み、食べかすが口内に残りにくいという特徴があります。しかし普段から水を飲む量が少ないと汚れが落ちず、口の中が乾燥して歯石になっていくため、水分量を気にかけるようにしてください。
逆にウェットフードは歯に付きやすいので、歯磨きが習慣化していない子にはドライフードをおすすめいたします。
Q.おすすめのフードは?
フード選びで気を付けていただきたいポイントは、それが「総合栄養食」であるか。実はフードには「総合栄養食」以外にも、「一般食」「副食」「おやつ」などの種類があります。「その食事と水だけで十分な栄養が補える」として認可を受けたものだけが「総合栄養食」と表記されています。
フードのパッケージにいずれか必ず記載されていますのでチェックしましょう。副食などはあくまで間食やごほうびとして利用しましょう。
Q.食事を噛まずに飲み込んでいる!
ワンちゃんには人間の様に「食べ物を噛んですりつぶす」機能を持った歯がありません。また犬の祖先は野生の肉食動物なので、獲物を横取りされる前に素早く切り裂いて飲み込む習性が残っており、ほとんどのワンちゃんは食事をゆっくり噛むことはしません。
健康であれば、丸飲みしても消化できる量の胃酸を出しているので安心してください。しかし大きなものはのどに詰まらせてしまうことがあるため、最初からできるだけ小さくして与えるようにしてください。

遊びについて

Q.散歩の適正な距離って?
「小型犬に散歩は不要」という意見もありますが、小型犬であっても適度な運動は健康維持、ストレス解消、社会性を学ぶためにも必要です。
室内犬として人気のチワワ・パピヨンなどの超小型犬は1日平均 20 分~ 30 分を目安に。朝晩 10 分ずつなどがおすすめです。
ポメラニアン・柴犬・フレンチブルドックの場合は 30 分~ 40 分を目安に。
トイプードル・コーギー・ミニチュアシュナウザー・ミニチュアダックス・テリアは意外にも運動量が多く 40 分~ 60 分程度の散歩が必要になります。
Q.散歩の際の注意点
基本的には朝夕の1日2 回が理想です。首輪ではなくハーネスにしてしまうと、苦しくない分、余計に引っ張りが強くなり、コントロール出来なくなることがあります。フレンチブルドッグなどの呼吸器に負担がかかりやすい短頭種はハーネスをおすすめしますが、まずは上手に人の横をついて歩ける練習が必要です。
また、お散歩デビュー前から室内で首輪やリードを付けて慣らす練習もおすすめです。お迎えしたばかりの散歩未体験の子はまずは抱っこをして外に連れ出し、外のニオイ・音・人の気配などにしっかり慣れさせることが大切です。
また「ワクチンを接種していない子犬は外に連れ出してはいけない」というのが通説ですが、ワクチンが全て終わるまでお外に出ないというのでは、子犬の時期に学んでおくべき社会性が身に付きにくくなります。首輪とリードを付けて、抱っこをしてお外に慣らす「抱っこ散歩」をぜひ取り入れてください。もちろん蚊やダニ・ノミが多い木陰や草むらは近寄らないようにしてください。
Q.おすすめのおもちゃ、NG なおもちゃ
まず注意したいおもちゃについてお話しします。プラスチック製で、噛んで割れる可能性があるものは控えてください。口の中にすっぽり入ってしまう小さなボールは誤飲をするので危険です。
さらにペット用でないぬいぐるみは、噛んで綿を出した場合、飲み込むと便秘を招いてしまいます。木のおもちゃも、噛むうちに削れて誤飲を起こすことがあるので要注意。
逆におすすめのおもちゃは、帆布やロープなど、着色されていない天然素材を使ったもの。さらに知育玩具や音が鳴って知的好奇心を育んだり、噛むことで歯磨きができるものも良いでしょう。
Q.多頭飼いって本当にいいの?
本来群れで生活してきた生き物なので、多頭飼いによって序列やマナーなどの社会性を学んでくれます。またお留守番時のストレスも激減するでしょう。
しかしメリットだけではありません。万一愛犬同士の相性が悪かった場合や、飼い主が一方の愛犬ばかりを可愛がった場合は、目を離したスキにケガを負うほどの喧嘩をしてしまうことがあります。特にオスを2頭育てていると、こういったケースになることが多いようです。
先住の愛犬の性格にもよりますが、2頭目を選ぶ際は決める前に必ず先住の愛犬と対面させて相性を確認するようにしてください。
Q.ストレスの解消法
ワンちゃんは人間同様に日々ストレスを抱えながら生きているといわれています。飼い主夫婦の喧嘩や、引っ越しで慣れない環境に身を置いたとき、留守番する時間が増えた時などは顕著にストレスを感じ、食欲不振・下痢や嘔吐・脱毛などの症状として表面化することがあるようです。
飼育環境を整えるのはもちろん、ドッグランや広い公園での散歩、飼い主との十分なスキンシップ、さらには「匂いを嗅ぐ」という行動でもストレスが軽減することがわかっています。
ストレスの代表的なサインとして、「自分のしっぽを追いかけまわす」「体の一部をしきりに舐める」などが挙げられます。その場合は体調に変化がないかをチェックして、先のような方法でストレス解消をしてあげるように心がけてください。
Q.散歩中によそのワンちゃんを噛んだ!
「近所の子どもがウチの愛犬を撫でた瞬間に、噛みついてしまった」「よそのワンちゃんに噛みついた」いつもは人に慣れたワンちゃんでも、自分のテリトリーを侵されそうになると、びっくりして突然攻撃的な一面を見せることがあります。
愛犬のトラブルは飼い主の責任となり、例えば飼い犬が他人を噛んでケガさせた場合は、過失傷害罪に問われるケースがありますし、他のワンちゃんにケガをさせてしまった場合は、治療費などを賠償請求されることがあります。
そのような場合は、一見ペット用ではない保険が個人賠償に対応していることがありますので、ご自分の保険の契約内容を確認するようにしてください。日頃は「リードは短く」「あまり他人に触らせない」これを徹底しましょう。

睡眠について

Q.いびきがひどい
ブルドックやチワワなどマズル( 口の周りから鼻先にかけての部分) が短い犬種はいびきが多いと言われています。また肥満や筋力の低下もいびきの原因に。アレルギーや感染症でのどの粘膜に炎症が起こると気道が狭くなっていびきをかくことがあります。「昨日までいびきなんてしなかったのに!」のように、突然いびきをかきだした場合や、マズルが短くない犬種は注意が必要です。
Q.飼い主と一緒に寝てもいい?
「同じ布団で寝ると序列が崩れて対等だと思われるからNG」という意見もありますが、一緒のベッドで寝ているのに飼い主さんの言うことをしっかり聞いているワンちゃんも沢山います。トイレの失敗、イタズラ、一緒に寝ることで飼い主さんと離れられなくなること( 分離不安症) になる可能性があること、布団のダニや、ベッドの高さなどに注意してあげれば、「一緒に寝ることでより深い関係を築ける」という意見もあります。どちらにしても、愛犬が一緒に寝たがるのは、飼い主を信用している証ですから、無理にそれを妨げる必要はないでしょう。
Q.ワンちゃんって1日どれくらい眠るの?
成犬の場合1日あたり10~11時間程度の睡眠時間が必要です。子犬の場合は約18時間。シニア犬も1日の大半を寝て過ごします。睡眠時間が不足していると、ストレスを抱えて問題行動を起こすだけでなく、一説によると寿命が短くなるといった報告もあるようです。犬種によっても睡眠時間は異なるため、「寝すぎているな」「ほとんど寝ていないな」と感じる場合は、まずは獣医にご相談ください。
Q.ワンちゃんの快適な睡眠環境とは?
ワンちゃんはトイレ( ペットシーツ) から離れたところに寝床をつくる習性があります。その証拠に寝床としている場所では排せつをしたがりません。寝床とトイレ( シーツ) に一定の距離をつくり、ペットシーツをこまめに取り替えてあげましょう。また愛犬が快適に過ごせる気温は22 度、湿度は60 パーセントとされていますので、エアコンや加湿器・除湿器で空調をコントロールしてあげてください。
Q.なかなか眠ってくれない
原因はいくつか考えられます。ひとつは「お腹が空いている」という軽度なもの。少量の夜食を与えるようにしましょう。「運動不足」も考えられます。梅雨時期など散歩に行けないときはロープを使った「引っ張り合いっこ」をしてあげましょう。
またシニア犬の場合は体内時計が狂っていることが多く、夜にウロウロとするケースが多いようです。怖いケースとして「歯が痛くて眠れない」など、どこかに眠れないほど強い痛みがあることも考えられます。しっかりと観察してあげることが何よりも大切です。
Q.年齢を重ねて睡眠時間が増えた
睡眠時間が増えるのはシニア犬の特徴なのであまり心配しなくてもいいでしょう。ただし起きる気力がない・動きたがらないなどをそのままにしていると筋力の低下を招き、やがて寝たきりになってしまいます。宝探しゲームなどのノーズワーク(嗅覚を使ったトレーニング) や、他のワンちゃんとのコミュニケーションを、無理をさせない程度で継続するようにしてあげてください。

しつけについて

Q.歯みがきをさせてくれるようにしたい!
「歯磨きのコツ」の動画をご用意いたしました。ぜひ参考にしてください。
Q.トイレを覚えてくれない
トイレトレーニングには秘訣はありません、「ペットシーツの上で排せつを成功させる」「ペットシーツの外で排せつを失敗させない」この2つの繰り返しです。ケージやサークルの中にシーツを敷いて、排せつをしたらサークルから出して遊んであげる。排せつしそうな雰囲気を感じたらサークルに戻す。排せつを覚えるまではシーツ以外のものをサークルに入れない。シーツを噛む癖がある子にはトイレトレーを置いてあげる。これを繰り返し根気よく続けましょう。また排せつが成功したら大げさに褒めてあげることも大切です。
Q.家具などへの噛み癖を直したい
家具など噛んで欲しくないものは、予め噛めないように近づけない、置かないようにして予防することが大切です。ただし、噛みたい欲求がピークの時に噛めるものを一切与えないというのは、ストレスになり、噛めるものを探して次々とイタズラが始まってしまいます。噛んで良いもの( ワンちゃん用おもちゃ) などはいくつか用意をして満足に与え、定期的に噛みたい欲求を発散してあげましょう。噛みたい欲求を抑えるには適度な運動も効果的です。
Q.お留守番ってさせていいの?
留守番をさせるのは、愛犬にとって悪いことばかりではありません。もちろん、「愛犬の届く範囲にコンセントやコード、観葉植物などを置かないこと」「ケージやサークルを利用すること」「十分な水とフードを与えてあげること」「快適な湿度と室温を保つこと( 停電には要注意)」が大前提です。そうやって過ごしやすい環境さえ整えてあげれば、ワンちゃんは1日に12 ~ 14 時間は睡眠時間が必要なので、おとなしく眠って待っていてくれるでしょう。また「精神的に自立」する良い機会にもなります。
ただし、3点注意が必要!!
1つ・家を出る際や帰ってきた際に、必要以上に干渉しない。出勤前に何度も謝ったり、帰宅して甘やかしすぎると、精神的に不安定になることがあります。さりげなく「行ってきます」「ただいま」を伝えるくらいのコミュニケーションに留めましょう。
2つ・ケージの中に入れたクッションやペットシーツをボロボロに噛んでいるときは注意が必要。綿や吸収剤をのどに詰まらせて…、ということもあるので危険です。これは怒っても解決しないので、トイレシーツは噛めないようにアミ付きのトイレトレーにいれてください。できればお留守番前は散歩などで十分な発散をし、お留守番中は疲れて寝てくれるように。また、ラジオなどを小さな音で流してあげると多少寂しさが紛れます。
3つ・生後半年以内はできるだけ一緒に居てあげる。
幼いワンちゃんは、まだおなかの機能が弱く、排せつの回数は1日に5回以上になります。こまめに片づけてあげないと、食糞の癖がついてしまいます。1日に2回程度まで排せつをコントロールできるようになるまでは、一緒に過ごしてあげることがオススメ!
Q.お手やおすわりを覚えない
お手などのしつけを教える上で大切なのは「目を合わせること」「うまくできたらご褒美をあげること」「叱らないこと」です。ご褒美のおやつを自分と愛犬の目線の間に持ち、目を見ながら指示をしましょう。そして、「お手」「おすわり」「待て」などの号令を、家族で統一することも大切です。「座って」「座れ」「おすわり」のように号令が異なっていれば、いつまで経っても覚えてくれません。
Q.吠える癖をなおしたい
しつけで最難関とされているのが吠え癖です。普段はおとなしいのに自宅のインターホンが鳴るたびに吠えたり、サイレンの音に反応して吠え出す子が多いようです。叱られていることを理解させるために「ダメ」なら「ダメ」で統一し続ける必要があります。そして吠えるのを止めたら褒めてあげる。この繰り返しを続けてください。
自分の要求を分かってほしくて吠える「要求吠え」はあまり相手にしないほうが、「吠えて要求してもダメなんだ」と理解するようになります。
宅配業者などの来客で吠える場合は「恐怖心・パニック」が隠れています。クレート(BOX) を用意して「ハウス」と言いながら、クレートの中に入れてあげる訓練を繰り返し、安心するテリトリーに導いてあげるといいでしょう。
Q.ペットシーツをボロボロにする
外出やお風呂に入る際など、愛犬をひとり( 一匹) にしたら、ペットシーツをボロボロに噛んでいた。この原因は大きく3つあると考えられます。
1つは「それくらいしかやることがない」「暇」というサイン。2つは寂しさのストレスからくる行動。いずれもペットシーツを噛むことがダメなことだと理解させるように、しつけをする必要があります。
3つは「ペットシーツを噛むことで構ってもらえる」と勘違いしているケース。シーツをボロボロにして、飼い主が「もう!」と叱って片づける光景を「構ってもらった!」と勘違いしています。できるだけ静かに、目を合さずに片づけるようにしてみましょう。きっと諦めてシーツを汚さなくなるでしょう。それでもなおらない場合は、アミ付きのトイレトレーをおすすめします。
Q.自分の糞を食べてしまう
残念ながら食糞の原因や、糞を食べることのメリットは解明されていません。ストレスが原因だったり、コロコロとして楽しいから咥えてしまう、食べ物の匂いがするから空腹時に食べてしまうなど原因は様々言われています。動物の世界では珍しい行動ではないので、「不潔だからやめさせたい」という気持ちを押し付けるのは良くないことかもしれません。
しかし、日頃から食糞が癖になっていて、散歩中に落ちている別のワンちゃんや猫の糞まで食べてしまうとなると話は別です。寄生虫に感染する恐れがあります。子犬の時期から食糞をしないように「排せつをしたらすぐに片づける」「排せつする時間を習慣化させる」「過度な空腹にさせない」「きちんとおもちゃを与える」といったことを心掛けていれば、多くのワンちゃんは成犬期に食糞癖がなおっていることが多いようです。
Q.年代別のしつけについて
【1歳未満の子犬期】
しつけトレーニングのベース作りと社会化を重点的に。子犬をお家に迎えてまずやるべきことは、トイレを完璧にすることです。また社会化( 家族以外の人、他犬、様々な音、モノ、自宅以外の環境に慣らし、はじめての刺激に対して過剰に反応しないようにしていくこと) は、今後愛犬がストレスなく人間社会で生きていけるようにするためにはとっても大切になります。成犬期に比べて柔軟に物事を受け入れられる子犬期の間に、トラウマとなる経験はさせず、楽しい経験をたくさん作ってあげて、これから起こる様々な刺激に対してストレスを感じることなく、柔軟に対応していけるようにしてあげてください。
【10 歳未満の成犬期】
子犬期のしつけは続けて定着させるようにしておきましょう。その上でいつでも「呼んだらくる」「ハウスに入ってくれる」「お手入れを嫌がらない」などのトレーニングもしてください。 また「歯」は愛犬が生涯健康でいるためにはとても大切な部分です。1本でも多くの歯を残してあげられるよう、歯磨きは飼い主さま自身で出来るようにしておきましょう。 年齢を重ねるごとに、子犬期と比べて見た目や動き方、遊びへの興味など様々な面で変化が出てくると思います。子犬期にはおもちゃや他のワンちゃんとよく遊んでいたのに、段々と遊ばなくなる子もいますし、寝る時間が多くなる子もいます。でもそれは、もしかしたら体調が悪いのかも!?そんな愛犬のちょっとした変化にもすぐに気付いてあげられるかどうかが、成犬期の健康を保つには重要です。
【10 歳以上の老犬期】
愛犬のペースに寄り添った生活を。ただし、ずっと寝させているばかりでは足の筋肉や嗅覚、脳機能などが衰えていってしまいます。フードやおやつを使ってノーズワークをすることでお鼻を使ってもらったり、晴れた日はお散歩に行って歩くことで筋力低下を防いだりと、適度に刺激を与えてあげることも、健康を保つためには欠かせないことです。
Q.ご近所からの苦情
環境局の調査では、ワンちゃんの鳴き声は集合住宅でのピアノの音や、電話の音やアラーム、人間が騒いでいる声の音量よりも「大きい」という報告があります。それが昼夜問わずだとしたら、ご近所さんにはかなりの迷惑をかけることになるでしょう。大家さん・警察・保健所・町内会を通して苦情がくることが多いそうですが、実はそれらの苦情には強制力がなく、今の法律では飼い主に「静かにさせないといけない義務」は発生しません。しかし、深夜の鳴き声などでご近所さんが眠れなくなり、体調を悪化させてしまったら、相応の賠償を請求される可能性があります。過去の判例では、5万円~30万円程度の支払いを命じられることもあるようです。そうならないように「しつけ」をするのは飼い主さんの義務。万一苦情がきた際は、賠償請求に発展する前にドッグトレーナーを頼ることも検討してください。
Q.室内飼いの注意点
最近の住宅は床がフローリングになっていることが多く、そこに椅子やソファーを置いて生活している人が多いのではないでしょうか。滑る床、ソファーなどの段差への頻繁な昇り降り…こんな状態が続くとワンちゃんは椎間板ヘルニアを抱えてしまい、慢性的な痛みや歩行障害にまで発展してしまうでしょう。
まずはフローリングの上にはマットを敷くなどして滑りにくい状態にし、ソファーに昇らせないようにしつつ、ソファーの手前に低い段差を作ってあげ、階段状に昇れる様にするなど工夫をしてあげてください。
次に気を付けたいのがコンセント周りです。電気コード( ケーブル) を噛まれないようにケージで囲う。さらに差し込み口には「コンセントガード」をかぶせましょう。
続いては食事。飼い主が食事を取る場所と、愛犬の居場所を離すこと。人間の食事を与えるのは絶対にNG ですので、こぼれたものを食べるのも防いでください。
Q.室外犬と室内犬の差ってなに?
犬にはダブルコートとシングルコートといった、毛の生え方の構造に種類があり、ダブルコートは季節によって毛が生え変わって、シングルコートは生え変わりがなく抜け毛が少ないといった特徴があります。一般的にダブルコートの犬種は室外での飼育が可能です( 推奨はできません)。シングルコートは気候の変化が苦手なので、室内での飼育に適しています。しかし、チワワやポメラニアン、ミニチュアダックスなどの小型犬はダブルコートではあるものの、体調を崩しやすいので室外には向いていません。ハスキー犬は寒さに強い反面、日本の猛暑には弱いので、夏の外飼いは難しいでしょう。ゴールデンレトリーバーは人と過ごすことを好むため、室内飼いに適しています。
シングルコート犬種例
トイプードル・ミニチュアシュナウザー・シーズー・ヨークシャーテリア・パピヨンなど
ダブルコート犬種例
日本犬( 柴犬・秋田県など)・スピッツ・ウェルシュコーギー・シベリアンハスキー・ラブラドールレトリーバー・フレンチブルドッグ・ゴールデンレトリーバー・シェトランドシープドッグなど
Q.拾い食いをやめさせたい
散歩中に石を食べたり、家の中で小さなゴミを食べたり…。そんな「拾い食いをやめさせたい」というお悩みの声をよく聞きます。これは自然界では「生きるための行動」なので、ほとんどの犬が生まれながらに備わった「習慣」です。しかし人間社会の中には、薬品、タバコの吸い殻など、絶対に犬が口にしてはいけないものが落ちているので、ぜひとも拾い食い癖は早い段階でなおしておきたいもの。
「自宅でリードを装着する」「部屋の床にドライフードを1粒置く」「その横を一緒に歩き、食べなかったら褒めてフードを与える」を繰り返しましょう。また口にしたものを「出せ」の号令で出してくれるようにしつけることも大切です。「出せ」で取り上げたものと交換に、おやつやおもちゃを与えるように訓練してください。拾い食いをしそうになったら「待て!」も効果的です。普段の食事で「待てトレーニング」を習慣化しておきましょう。
Q.「うれション」をやめさせたい
その名の通り、嬉しくて興奮しすぎることが原因となり、おっしっこを漏らしてしまうことです。心身のどこかに不調をかかえているわけではなく、実は服従心からくるものだという説もあります。ケアする方法は犬を興奮させすぎないこと。帰宅時や食事の際に必要以上に高い声を出して甘やかすのはNG。まずは飼い主の興奮を抑えましょう。
またうれションしたことを叱ってはいけません。「叱られる= 構ってもらった」と勘違いし、癖を助長させてしまう可能性があります。オムツやマナーベルトを利用しつつ、少しずつしつけていってください。

心配事

Q.いつも便がゆるい
人もワンちゃんも、便は健康のバロメーターです。常に観察して、ゆるくないか、硬すぎないか、血が混じっていないかを観察してください。相談者さまは「いつも」ということですので、まずは慢性的な軟便について解説します。
アレルギーやストレス、誤飲、食糞癖がない、室温が低すぎない場合は、「毎日のフードが合っていない」もしくは、腸炎などの病気や、寄生虫が隠れている可能性が高いです。かならず動物病院で検診をした上で、必要であれば投薬や、医師の判断のもとフードを腸内環境にやさしいものに変更してもいいでしょう。やや高価ではありますが、腸内の善玉菌を増やす成分が入っているフードがありますので、選択肢に入れても良いかもしれません。慢性的に便秘の子には、まずはトイレの位置を改めてみましょう。落ち着かないと排せつをしなくなる傾向があります。またウェットフードに変更したり、しっかりと水分補給をさせるようにもしてください。適度な運動も排せつには効果的です。軟便に加えて、嘔吐や元気がない場合は深刻な感染症にかかっている可能性も考えられます。早急に病院にかかるようにしてください。
さらに飼い主のみなさまには「便の色」も観察していただきたいです。黒すぎるものは血が混じっている可能性があります。白すぎるものは膵臓の機能が低下している証拠。黄色が強い場合は感染症や腸にトラブルがある可能性が高いです。便を袋に入れるなどして、獣医に診せるようにしてください。
Q.鼻水やよだれが多い
ワンちゃんの鼻はいつも濡れていて、人間と同じように生理現象としてくしゃみや鼻水を出すことがあります。サラサラとした透明の鼻水は、あまり気にしなくても良い場合が多いです。花粉やハウスダストによるアレルギーが考えられるので、部屋を清潔に保ち、空気清浄機で花粉のケアを心掛けてください。黄色や白の粘性のある鼻水の場合は、感染症の疑いが高いです。すぐに病院に連れていきましょう。
また鼻水とともに、よだれや、顔が腫れる場合は歯周病の疑いがあります。よだれも生理現象のケースが多いのですが、胃炎や口内炎、咽頭炎で過剰に分泌されるので「よだれが多すぎる」と感じる場合は、動物病院に相談をしてください。
Q.耳の中が赤いみたい
「外耳炎」の疑いが強いです。放っておくと中耳炎や内耳炎などに発展し、痛みや痒み、悪臭を招くでしょう。早急に病院にかかるようにしてください。外耳炎の原因は細菌やカビ、ダニなどが考えられます。外耳炎にならないよう「耳を清潔に保つ( 耳かきや綿棒を使わずに専用の液体を使用してください)」「耳周りの毛をカットして湿気を防ぐ」「シャンプー時に耳に水が入らないように注意する」「寝床を清潔にする」を心掛けてください。両耳とも赤くなっている場合はアレルギーの可能性があります。医師の判断の元、フードを見直すようにしてください。
Q.自分の肉球を噛んでいる
自分の肉球を舐めたり噛んだりする行為は、退屈しのぎ・ストレスの発散・グルーミングの一環や、暑すぎるときに体温調節のために肉球を舐めて体温を下げたりなどが要因と考えられていますが、気になる方は一度肉球や指の間をしっかりと観察してみてください。実は肉球から多くのことがわかるんです。
「指の間に小石が挟まっていませんか?」「真っ赤に炎症していませんか?」「イボやしこりはありませんか?」「カサカサでひび割れてはいませんか?」「ケガはしていませんか?」散歩終わりに玄関で念入りに愛犬の足を拭く人がいらっしゃいますが、人の肌と一緒で、洗いすぎやこすりすぎは必要な油分を落としてしまい乾燥を招きます。乾燥することでバリア力が低下し、ムズムズ&カサカサしてしまうでしょう。肉球が気になっている子には、ウェットティッシュなどを使用せず、乾いたタオルで拭く程度にしましょう。
また肉球に使用できる専用のケア商品もありますので、そちらを利用してもいいでしょう。
イボやしこりがある場合は、腫瘍であることも考えられるので一度獣医に診せていただくことをおすすめします。真っ赤になっている場合は、アレルギーやダニの可能性があります。毎日食べているフードの中に、アレルゲンがあるかもしれません。または洋服の繊維や花粉、ハウスダストもアレルギーの可能性がありますので、普段食べているフードを持って、こちらも獣医に診せるようにしてください。ダニの場合は、愛犬の生活環境の清掃を徹底してあげてください。
Q.歯が抜けた、割れた
生後3~7カ月の場合は乳歯の生え変わりなので心配しなくても大丈夫です。しかし成犬の歯が抜けたり欠けたりするのは、多くの場合で歯周病の疑いがあります。病院で相談した上、習慣的な歯みがきを徹底してください。
また、硬すぎるおもちゃやガムを与えていると、歯が弱くなっていくことがあります。トイプードルやチワワなどの小型犬に、中型~大型犬が噛むような太い骨や木材のおもちゃをあげてはいけません。逆に柔らかすぎるぬいぐるみも、歯に糸が引っかかって抜けてしまうことがあります。ロープや革製のおもちゃを与えるようにしてください。
Q.ケガをした!消毒ってどうしたら?
人間用の消毒液は、刺激が強いためおすすめしません。まずは水や生理食塩水でキレイに洗って、出血がある場合は清潔なタオルで縛ったり、抑えたりしてください。ワンちゃんは自分のケガを舐める習性がありますので、ご家庭にエリザベスカラーがある方は装着してもいいでしょう。
食卓やキッチンで熱い食べ物や飲み物を愛犬にかけてしまった場合は、すぐに冷たい濡れタオルで患部を冷やしましょう。全身にかかった場合は冷たいシャワーで患部を冷やすように。どちらも「緊急性がある」と感じたらすぐに病院に相談を!
Q.鼻を痒がっている
一概に言えないのですが、多くのケースで「感情表現の一種」であることが多いです。「遊んでほしい」という要求や、逆に「おなかいっぱい♪」「大好き♪」など満足しているときも鼻をかく仕草をするようです。不快に鼻を痒がっている場合は、鼻の中に異物が入っていたり、老犬になると鼻の奥に腫瘍ができていることもありますので、しっかり観察して、医師に相談するようにしてください。
Q.目の中に毛が入っている
瞳の中のごみを取るときに絶対にNG な行動があります。それは指、綿棒、ティッシュで直接取り除こうとすること。瞳を傷つける危険性があります。ごみを取る際は、コットンに精製水を含ませ、目薬をするように点眼をしてください。次に精製水で浮いたごみや毛を、濡れたコットンで吸着させるようにして拭き取るようにしましょう。
Q.抜け毛が多い気がする
換毛期や日頃のブラッシング不足で抜け毛が多い場合はあまり気にしなくても良いでしょう。しかし、換毛期でもないのに毛が抜けるときは、ストレスや寄生虫、甲状腺などのホルモンの病気、アレルギー( アトピー) が考えられます。気になる場合は早めに病院に行くことをおすすめします。
Q.去勢って本当に必要なの?
生殖不能の状態にする手術を、オスは「去勢」メスは「避妊」といいます。多くのメリットがありますが、時としてデメリットもゼロではないので、医師に相談するようにしてください。
メリット
・ストレスや、攻撃的な性格が落ち着く。
・オスの場合「前立腺の病気」「精巣腫瘍」、メスの場合「子宮蓄膿症」「乳腺の腫瘍」を防げます。
・妊娠を防ぐことができます。
・全身麻酔の影響で最悪の場合死亡するケースもありますが、今の進歩した技術では手術をしたことで死亡する確率と、手術をしなかったことで病気になって死亡する確率では、後者のほうが高いでしょう。
デメリット
・高齢犬や持病があるワンちゃんにとっては、リスクは高く
なりますので、検討する際は若いうちのほうが良いです。
・術後は数日間~ 10 日間ほど痛みが残ります。
・おおよそ3万円程度の費用がかかります。
Q.室内犬にワクチンって必要なの?
とても正直な話をすると、狂犬病は日本国内で1957 年以降一例も報告されていません。室内犬を育てていて、ある日突然狂犬病になる可能性は限りなくゼロだと言えます。しかし事実として、半世紀日本で狂犬病が見つかっていないのは、法律によって年に一度の狂犬病ワクチン接種が義務化された賜物。「ウチは大丈夫だから打たない」という身勝手な判断をする飼い主が増えると、かつてのように狂犬病が流行してしまう可能性があります。
飼い主の義務として、狂犬病ワクチンは必ず打つようにしてください。その他、フィラリア・ノミ・マダニを予防するワクチンや、感染症を予防する混合ワクチンもあります。室内犬であっても、玄関から蚊やノミが侵入することも十分に考えられますし、散歩中に蚊から感染するケースも後を絶ちません。
しかしワクチン注射はワンちゃんの体に多少なりとも負担をかけます。ワクチンを打つ日の体調を観察して、飼育環境などを医師に伝えた上で、ご自分で必要だと思うものを選ぶようにしてください。
Q.水を飲んでくれない
水を飲まない理由はいくつかあります。「食事で十分に水分を補えている」「寒いから飲みたくない」「老犬になって、水分の摂取量が減った」など。注意したいのは体や口内の痛みで水が飲みづらくなっているケースです。たとえばヘルニアになってしまった場合は、かがんだり伸ばしたりが困難になるため、水の位置を検討してあげる必要があるでしょう。歯周病や口内炎の場合も水を飲みたがりません。口内をよく観察して適切な処置を医師に相談してください。
また水自体に問題があるケースもあります。水はかならず毎日取り換えて新鮮なものを与えてください。浄水器の水を与える人がいますが、浄水器の水は傷みやすいため、夏場は適していません。新鮮な水道水であれば健康を害すことはありませんので、置き水は水道水を与えるようにしてください。アウトドアで川の水や湧き水を与えることは控えましょう。
どうしても水を飲んでくれない場合は、水の中に少量のフードを混ぜて、香りや味をつけてあげればよく飲んでくれるようです。また犬用のミルクなども利用しても良いでしょう。
Q.不調の見つけ方
とにかく毎日の観察をすること。「昨日までと違う部分」をいかに初期で発見できるか?が愛犬の健康を守る最大の秘訣です。見るだけでなく、触って、ニオイを嗅いで、音を聞いて…、スキンシップを通してあらゆる方法で、ワンちゃんの変化を見つけるように心がけてください。以下に、部位別のチェックポイントを記載します。以下の内容が当てはまらないこともありますので、変化に気付いたら医師に相談をするようにしましょう。
【目】
目ヤニは出ていませんか? いつも涙を流していませんか? 目が赤くなっていませんか? 痒がっていませんか?
室内や寝床のホコリが原因かもしれません。室内を清潔にし、ワンちゃん用の目薬で目を洗ってあげましょう。もしくはアレルギーも考えられます。花粉症になる子も多いので、室外でのブラッシングを習慣にしてください。目ヤニや涙の量が「多い」、異常にかゆがる場合は結膜炎や角膜炎の疑いがあります。至急医師に相談してください。10 歳以上の老犬になり、フードの位置を探すそぶりを見せたり、段差に躓くことが増えたりすると、目が見えにくくなっているサインです。老化現象ではありますが、緑内障・白内障の可能性もあるので、初期で発見できるよう、日頃から目やワンちゃんの動きを観察してください。
【口】
臭いニオイはありませんか? 黄色や茶色に変色していませんか? 歯茎の色が真っ赤になっていませんか?
習慣的な歯磨きを心掛けましょう。特にウェットフードを与えている場合は、できれば毎食後に歯を拭くなどしたほうがいいでしょう。それでも匂いや着色が改善しない場合は「歯石」「歯周病」になっている可能性が高いです。動物病院で適切な処置をしたうえで、二度と歯周病にならないように歯磨きを習慣化してください。過度なよだれが出ている場合は歯周病以外にも、胃炎など内臓のトラブルが考えられます。
【耳】
臭いニオイはありませんか? 耳を痒がっていませんか? よく見ると血が出ていませんか?
外耳炎の可能性があります。まずは医師に相談。医師の指示の元、耳掃除の方法を見直し、それを1週間に1回~2週間に1回を目安に続けましょう。10 歳以上の老犬に後から近づいて体に触れると「ビクッ!」とする場合は、すでに耳が聞こえにくくなっているサインです。どの子にも必ず訪れるので、深刻になる必要はありません。「待て」「よし」などの声による指示が通じなくなっていくので、手振りを付けたハンドシグナルで指示してあげましょう。
【呼吸】
呼吸が苦しそうではないですか? すぐに息が上がっていませんか?
適正な体重であるか?運動不足ではないか?を疑いつつ、室内や屋外が暑すぎる場合は、熱中症の可能性があります。放っておくと大変なことになるので体を冷やしてあげて至急病院へ。他にも鼻や喉の奥に腫瘍ができていたりすると呼吸が苦しくなります。メタボ気味な子も、医師に相談できますので、苦しそうにしている場合はひとまず動物病院に連れて行くようにしてください。
【体】
おなかが異常に張っていませんか? これまでなかったところに「しこり」「イボ」ができていませんか?
「妊娠」「便秘」の可能性がない場合は、糖尿病などの疾患が隠れている可能性があります。「肥満」で片づけるのではなく、一度医師に相談をしてください。触っていて「コリッ」とする「しこり」や「イボ」が急にできた場合も要注意。乳腺にある場合は乳腺腫瘍の可能性も。メスだけでなく、オスも発症することがあります。またマダニが吸着していることもあります。バベシアという病気を引き起こしますので、病院でマダニを取り除いてもらいましょう。触れることを極端に嫌がる場合は、ケガやヘルニアの可能性があります。
Q.人間の風邪は感染する?
現在まで、人間の風邪やインフルエンザがワンちゃんに感染した事例はありません。しかし、犬が発症している「ケンネルコフ」という病気が、犬同士で爆発的に感染する事例は多く報告されています。気管支炎や咳が伴うため、ペットホテルやドッグランなどに出かけたのちに犬がぜーぜーと苦しそうにしていたらケンネルコフの可能性も視野に入れましょう。
みなさまが気にされている「新型コロナウィルスが犬に感染するか」ですが、現在まだ明らかになっていません。国内でPCR 検査の陽性反応が出た犬がいるのは事実ですが、「感染した」と断定するまでに至っていません。どちらにしても犬の感染を防ぐには、飼い主自身が予防をするのが最も効果的だと言えるでしょう。
Q.苦手なニオイと好きなニオイ
【嫌い( もしくは有害) なニオイ】
お酢・タバコの煙・アルコール・柑橘類・香辛料( わさび含む)・マニキュアなどの化学物質
「お酢」のニオイに関してのみ、有害性が限りなく低いため、噛んでほしくない家具などに薄くお酢のスプレーをするなどのしつけに使えます。また嫌いなニオイではないかもしれませんが、「柔軟剤」「芳香剤」の香りは、ワンちゃんにとって有害だという説があります。
たしかに芳香剤の香りの元になっているのは「アルコール」や「アルデヒド」「エステル」など、決して愛犬には与えたくないものばかり。ワンちゃん用の衣料や毛布などは、人間の洗濯物と一緒に洗わず、柔軟剤や漂白剤を使わずに、できればペット用の衣料洗剤を使うようにしてください。
【好きなニオイ】
飼い主の体臭、肉・魚のニオイ、血液や体液、ほかの子のおしっこなど
Q.太りすぎかも・痩せすぎかも
代表的な室内犬の適正体重を記載します。年齢や個体にもよりますので、下記はあくまで「目安」にして、過度に軽い、もしくは重いときは医師の指導のもと、適正体重を維持できるように努めましょう。
ポメラニアン2 ~ 3kg、チワワ2 ~ 4kg、マルチーズ2 ~ 4kg、トイプードル3kg、ヨークシャテリア3kg、狆4 ~ 5kg、、ミニチュアダックス4 ~ 5gkg、豆柴4 ~ 6kg、パピヨン4 ~ 6kg、シーズー4 ~ 8kg、ミニチュアシュナウザー4 ~ 8kg、シーズー5 ~ 7kg、パグ6 ~ 9kg、柴犬7 ~ 10kg、ダックスフンド9kg、コーギー11 ~ 13kg
Q.足を引きずっている!
すぐに外傷がないかチェックしてください。足の指の間に小石やガラスなどの異物が入っていないかも確認してください。外傷がない場合は関節炎や骨折、脱臼、ヘルニア、腫瘍、子犬の場合はレッグペルテス病、成長板早期閉鎖の可能性があります。どれも手術が必要になるので、至急病院に相談を。そうならないためにも、日頃から散歩中はリードを短くして愛犬をしっかり見てあげること。ベッドやソファーなど、高いところに昇り降りさせないこと。階段を使わせないことです。ちなみに、一度足を怪我した子が、「足を引きずれば飼い主に構ってもらえる」と学び、仮病をするケースも稀にあります。

お手入れについて

Q.シャンプーの仕方
シャンプーを行う頻度は汚れやニオイが気になったタイミング。室内犬の場合はおおよそ月に1回。室外犬でも月に2回程度にしましょう。過度に洗うと必要な皮脂が落とされてしまい、皮膚炎などのトラブルを招いてしまいます。
シャンプー前にまずはブラッシングをして、抜け毛や汚れを落としておきましょう。続いて肌に傷や炎症がないかをチェックしてください。傷がある場合は、シャンプーをせず傷口以外をシートで拭くなどにとどめておきましょう。シャンプーは必ず「犬用」を使ってください。またその中でも、香料やアレルギー物質の入っていないものを選んでください( 大豆アレルギーのある子に、イソフラボン配合のシャンプーを使用しない など)。
ご自分の爪は切り、指輪などの貴金属は必ず外してください。また散歩後など、若干疲れているタイミングに洗った方が、おとなしく洗わせてくれるようです。お湯の温度は人肌(36 ~ 38 度) で。先に肛門絞りを行う際は、しっぽを0時として、4時と8時の位置を下から親指と人差し指で軽く押し上げるようにつまんでください。
おしり⇒肩⇒首の順にお湯を全身に浴びせたら、シャンプーは直接にかけることなく、容器に記載されている使用方法に基づいて希釈して、泡立てた「泡」を愛犬に乗せましょう。軽く全身を洗ったら一度泡を流して、本洗いに入ります。泡を乗せて指の腹でマッサージするように洗い、汚れや不要な皮脂を浮かせましょう。ここまでを5 ~ 8 分程度で済ませるのが、理想的です。洗い流す際は目・耳・鼻の穴に泡や水が入らないように注意。耳を手で塞いだり、顔の角度を変えながら洗い流してください。リンスをする際は、全身にリンスを付けてから時間を置く必要はありません。なじませた後、すぐに洗い流しましょう。
乾かす際は、やや離したところからドライヤーを動かしながら当てて、タオルドライ。ある程度乾いたら今度はブラッシングしながらドライヤーを当てましょう。顔の正面からドライヤーの風を当てないように注意してください。
洗い上がりは体についた水分が一気に体温を下げていくので、服を着せたり、大きなタオルでくるんで抱っこしてあげるなどしてあげてください。
Q.ブラッシングについて
「どれくらいの頻度でブラッシングをすればいいの?」という質問を受けたことがあります。その答えは「毎日」です。大変ですが、ぜひ習慣にしてください。愛犬の負担にならないよう、なるべく短い時間で仕上げるようにしましょう。ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく、汚れやホコリを落として病気を防いだり、飼い主との良質な関係を築く効果があります。特にチワワや柴犬などの「毛が抜けやすい犬種」は、春と秋の換毛期に頻繁にブラッシングをしておかないと、清潔さを保てずに病気になっています。
ブラシの種類は大きく4タイプ。目が細かく、ハリのような金属製のスリッカー。やや毛幅が広い金属製のピンブラシ。平たく硬い素材で作られているコーム。ゴムタイプのラバーブラシです。毛が長く絡まりやすい犬種はスリッカーやピンブラシを。逆に毛が短い犬種は皮膚を傷つけてしまうため、コームやラバーブラシを使ってください。
Q.歯磨きを嫌がる
ワンちゃんの歯垢は2~5日で歯石になります。ですからおおよそ2日1回は歯磨きをしてあげないといけません。「歯みがきは楽しい!」と思わせることが最大のコツ。磨いた後はご褒美のおやつ・おもちゃ・遊びなどをセットで。
マズル( 口周り)⇒歯⇒口の中を徐々に触っていき、一週間程度慣れさせてからが歯磨きのスタート。一般的な磨き方は、毛先が柔らかい歯ブラシで表裏・手前奥をくまなく磨いてください。また長時間の歯みがきはNG です。愛犬に「面倒なこと」と思わせてしまったら、それ以降磨かせてくれなくなります。
噛み癖がなおらない子、歯みがきをしようとすると逃げ出してしまう子には、ドクターデンタルワンを使い、「なめさせる」「おもちゃに塗る」「フードに混ぜる」などしても良いでしょう。
Q.爪を切ってあげたい
ワンちゃんの爪は血管が通っているため、深く切りすぎると痛がったり出血する可能性があります。そのため月1回のトリマーさんに任せきりにしてしまいがち。しかしお散歩の機会が少ない室内犬は爪が伸びやすく、適正に処理をしてあげないと体を掻く際にケガをすることがあります。だからこそ、爪が伸びていたり、先端が尖っているときは飼い主がその場で切ってあげた方が良いでしょう。
爪切りで必要なのは、ギロチンタイプの犬用爪切りと、万一の際の止血剤です( どちらもペットショップで購入できます。はさみタイプの爪切りは初心者には向きません)。一度で深く切ることはせず、何度かに分けて仕上げることが失敗しないコツ。爪を切った後はご褒美をあげたり、褒めたりして「爪を切ると良いことがある!」と認識させましょう。
Q.肛門腺のしぼり方
肛門腺は肛門の左右に1つずつある分泌腺です。肛門腺の中では強烈なニオイの分泌液が生産され、どんどん溜まっていきます。大型~中型犬では、排せつの際に一緒に排出されることが多いのですが、小型犬の場合は、月に1~2回程度飼い主が絞って出してあげる必要があります。そうでないと肛門腺が膨らみ過ぎて炎症や破裂をしてしまうこともあります。
絞る際は、シャンプー時がおすすめ。リビングで絞ってしまうと、強いニオイの分泌液が、そこら中に噴き出してしまう可能性があります。まずは片手でしっぽを持ち上げ、肛門が見えるように。そこからしっぽを0 時として、4 時と8 時の位置にある肛門腺を親指と人差し指で下から押し上げるように絞ります。力を入れすぎないように注意してください。絞り終わった後は、やさしく水で流してシャンプーで洗ってあげてください。
Q.ガサガサの肉球のケア
実は肉球はクッションや滑り止めの役割をしています。そのため乾燥で硬くなったりガサガサになってしまうと、クッション・滑り止めが効かず、腰に負担をかけ、いずれヘルニアに発展してしまうことも…。またあかぎれで出血している場合は、そこから雑菌が侵入し、思わぬ病気にかかってしまうこともあります。多少足が汚れていても、水洗いやウェットシートでゴシゴシ洗ったりせず、乾いた布で優しく拭く程度にしてあげてください。泥などで汚れているときは水洗い・ウェットシートで拭いた後、濡れたままにせず、必ずしっかりと水気を乾かしてあげてください。その後、専用のクリームや蜜蝋( みつろう) などを薄く塗って、肉球を守ってあげましょう。
Q.お部屋のニオイをどうにかしたい
愛犬のニオイが嫌だからと、大量のアロマや芳香剤を使用する方がいますが、NG 行動です。ニオイの多くは「布」に付着していますので、カーペットやカーテン、犬用のマットを定期的に洗う( クリーニングする) ようにしましょう。また排泄物を放置する時間が長いと、その分部屋にニオイが染みついていきます。排泄物の処理は素早く。
さらに室内飼いするご家庭は空気清浄機が必須です。加湿器付・静音運転のものが理想的です。消臭スプレーは「愛犬や赤ちゃんがなめても安全」なものに。布用の消臭剤は、舐めると有害な成分が多いため、あまりおすすめできません。
Q.ペット衣料の洗い方
「柔軟剤」の香りは、ワンちゃんにとって有害だという説があります。たしかに香りの元になっているのは「アルコール」や「アルデヒド」「エステル」など、決して愛犬には与えたくないものばかり。ワンちゃん用の衣料や毛布などは、人間の洗濯物と一緒に洗わず、柔軟剤や漂白剤を使わずに、できればペット用の衣料洗剤を使うようにしてください。
Q.毛玉の処理について
ブラッシングやカットが長期間行き届いていないと毛玉ができてしまいます。特にプードルなどの毛がクルクルしている犬種は、毛玉ができやすく取る際にも苦労をします。「どこまでが皮膚で、どこからが毛玉なのか分からないから、怖くてカットできない」ということも起こりがちです。まず毛玉を根元から手で優しくほぐし、皮膚と離れたらハサミで慎重にカットしましょう。毛玉を引っ張ると、痛みで興奮するので、「やさしく」がお約束です。カット後は毛玉ができないようにブラッシングを習慣にしてあげてください。
Q.散歩中にガムを踏んだ
意外と多い悩みです。道端に視線を落とすと、本当にガムの吐き捨てと、タバコの吸い殻が多いことに驚かされます。ガムを落とすのは意外と簡単。油で溶けていくので、バターや食用油をなじませた後にシャンプーをすればきれいに落とすことができます。こういう事態にならないように、あらかじめ肉球の間の毛を短くしておくのもおすすめです。
Q.耳掃除の仕方
週に1回耳を観察して、耳垢が見える場合は、専用のイヤークリーナー( 液体タイプ) がおすすめです。使用前に耳の入り口を濡らしたコットンで優しく拭いて、イヤークリーナーをゆっくり耳の穴に注いでください。注いだ後は耳の付け根をやさしく揉みます。時間が経つと耳垢が浮き出てくるので洗浄液ごとコットンで拭きとりましょう。くれぐれも人間用の綿棒や耳かきを使わないように。耳の中を傷つけてしまいますし、万一愛犬が動いたときに、綿棒が刺さってしまいます。
耳垢が濃いめの茶色や黒色の場合は、病気にかかっている可能性があります。動物病院で相談をしてください。

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